広義の有事法制関連報道抜粋


[有事関連法]「与野党の枠を超えた安保協力」 (2004/6/15/01:27 読売新聞社説)ー 平和と安全を守る基本政策は与野党の枠を超えて推進することが、成熟した政治の姿だ。
 国民保護法など有事関連法と特定船舶入港禁止特別措置法は自民、公明、民主三党などの賛成多数で成立した。衆院で全議員の九割、参院でも八割以上が賛成した。
 民主党は、国会終盤、七月の参院選を意識して年金改革関連法に強く反対し、牛歩戦術を繰り広げるなど、国会が混乱した。それでも、有事法制や安保関連の重要法に賛成したのは、野党第一党としての責任を自覚したのだろう。節度ある態度を示したことは高く評価したい。
 有事関連法が整備されても、なお多くの課題がある。
 政府は、時代の変化に応じた新たな防衛戦略としての新防衛計画大綱を策定する方針だ。国内のテロ、治安対策なども一層強く推進しなければならない。三党が合意した「緊急事態基本法」の論議もこれから始まる。民主党は、積極的、建設的な役割を果たしてもらいたい。

 有事関連法の中核となる国民保護法は国民の避難・救援に当たる政府や自治体などの役割、責任を規定している。有事法制の仕上げとなる法律だ。
 三党は、衆院段階の共同修正で、大規模テロなどを想定した緊急対処事態に関する規定を、武力攻撃事態法に盛り込むことになった。民主党の主張を取り入れたものだ。
 国民保護法成立を受け、政府は避難の指示、被災者救援などを盛り込んだ「基本指針」を策定し、自治体は具体的な国民保護計画を策定する。警察、消防、自衛隊などの連携、調整によって、法律の実効ある運用を図らねばならない。
 自治体は、計画を基に訓練を重ね、課題を明らかにすることが重要だ。それによって、有事に備える危機管理体制と、国民の国防に対する意識を高めたい。
 特定船舶入港禁止特措法は、改正外国為替・外国貿易法(外為法)に続く、北朝鮮への経済制裁を可能にする「圧力」カードとなる。北朝鮮の核・ミサイルを廃棄させ、拉致問題の解決を図る観点から、有効に活用したい。
 公的資金を金融機関に予防注入する金融機能強化法は、ぎりぎりの与野党折衝の末、ようやく成立した。今国会で成立が図れず、地方の金融機関の経営立て直しが進まなければ、地域経済に深刻な影響を与えかねないところだった。
 民主党が有事関連法には適切に対応しながら、金融機能強化法になぜ反対したのか。有事関連法と同様、そもそも、与野党対決の材料にすべき法律ではなかったはずだ。 (2004/6/15/01:27 読売新聞)

大規模テロ 新幹線の爆破など-NHK2004/04/26 19:05-有事の際に国民を保護するための法案では、大規模なテロが発生した場合に、都道府県知事が住民に避難を指示するとともに、被災者に対する救援活動を行うことなどが盛り込まれています。これに関連して、政府は、26日開かれた衆議院の有事法制に関する特別委員会の理事会で、想定される大規模なテロの事例を示しました。それによりますと、▽「危険物質の保管施設などへの攻撃」として、原子力発電所の破壊や石油コンビナートの爆破、▽「多数の人が集まる施設や大量輸送機関などへの攻撃」として、大規模な集客施設や新幹線の爆破、▽「多数の人を殺傷可能な物質による攻撃」として、サリンや炭そ菌など、生物化学物質の大量散布、▽「交通機関を用いた攻撃」として、航空機による自爆テロなどをあげています。

[緊急事態法制]「必要だが肝心なのは中身だ」- (2004/4/21/01:14 読売新聞社説)ー 緊急事態基本法が成立する見通しが出てきた。自民、公明、民主の三党が、来年の次期通常国会で成立を図ることで基本合意したためだ。 国の緊急事態に対処するための基本方針を定めた法制がなかったこと自体が、不思議だ。与野党の垣根を越えて成立を図るのは、当然である。
 国の緊急事態としては、外国からの侵略やテロ、騒乱、大きな自然災害、原発事故などが想定される。いずれも、国の独立と安全、国民の生命・財産が脅かされる重大で切迫した事態だ。
 緊急事態に、国家として迅速かつ適切に対処するための基本方針を定めておく必要があることは明白だ。
 核兵器開発を進め、日本を射程に入れるノドン・ミサイルの配備を強化している北朝鮮の動向や、国際的なテロの脅威などを考えれば、なおさらだ。
 主要国の多くが、緊急事態に関する憲法上の規定を持っている。読売新聞も、憲法改正の二〇〇〇年試案に緊急事態条項を盛り込んでいる。緊急事態条項は本来、憲法に明記するのが望ましいという考えからだ。
 しかし、憲法改正論議が高まっているものの、いま直ちに、憲法改正ができる情勢にはない。憲法を改正するために必要な手続きを定めた国民投票法自体も、今国会の提出が見送られ、当面、成立の見通しが立たない状況だ。
 そうした現状を見れば、緊急事態基本法の制定には大きな意義がある。
 肝心なのは内容だ。
 三党合意には、国民保護法案など有事関連七法案を今国会で成立させるため、民主党が求める緊急事態基本法制定を与党が受け入れたという“国会対策”的な面がある。
 三党は、有事関連法案の衆院通過前に法案骨子をまとめるという。法案の内容が、緊急事態への適切な対処をいささかでも損なうものであってはならない。
 民主党は既に、独自の基本法案を作っている。主な柱は、基本的人権の保障、重要事項の事前承認を原則とする国会の関与、危機管理庁設置などだ。
 「国家権力の乱用・暴走」を防ぐためとして、基本的人権の保障に力点を置いている。だが、緊急事態にあって基本的人権が制約される場合があることは、民主党も認めている。
 国会の事前承認とした場合、迅速な対応を妨げる恐れはないのかどうか。首相の指揮監督などに関する規定がないのも疑問だ。危機管理庁設置には、自民党は行政改革に反する、としている。
 議論し、詰めるべき点は多い。


有事関連7法案を閣議決定、今国会での成立目指す (2004/3/9/14:00 読売新聞)- 政府は9日午前の閣議で、有事の際の国民の避難・救援手続きなどを規定した国民保護法案を始めとする有事関連7法案と3条約承認案を決定した。同日午後に国会に提出する。
 政府・与党は今国会での一括成立を目指しており、実現すれば、昨年6月に成立した武力攻撃事態法などとあわせ、有事に対処する法制がようやく整うことになる。政府・与党は野党第1党の民主党の賛成を得たい考えで、焦点は与野党協議に移る。
 国民保護法案では、政府はあらかじめ国民保護の基本指針を閣議決定し、国会に報告する。中央省庁、都道府県、市町村は指針に沿って、有事の際の住民の避難・救援計画などを策定する。首相や知事は自衛隊の派遣を指示・要請できる。
 同法案には、土地・家屋の使用などに関し、私権制限や罰則を盛り込んだ。私権制限で損失が発生した場合は、国が補償する。
 米軍行動円滑化法案は、米軍支援のため、緊急道路工事や土地・家屋の使用、損失補償などを規定した。外国軍用品等海上輸送規制法案では、敵国への武器・弾薬などの海上輸送を阻止するため、日本領海や公海上で海上自衛隊が臨検を実施できるようにした。
 特定公共施設利用法案は、港湾、飛行場など6分野で、自衛隊や米軍の優先利用の仕組みを定めるものだ。利用指針を策定し、港湾、飛行場については首相が管理者に指示などを行い、利用の優先順位を決める。


PKO参加要件緩和を提言、官房長官私的懇(2002/12/19-01:42)-YomiuriOnLine-(抜粋) 福田官房長官の私的懇談会「国際平和協力懇談会」(座長=明石康・元国連事務次長)は18日、多国籍軍への後方支援を可能とする新法制定を柱とする報告書をまとめ、小泉首相に提出した。報告書では、自衛隊の国連平和維持活動(PKO)の「参加5原則」を見直し、参加要件を緩和するよう提言--。---
 PKOの参加5原則については、紛争当事国が消滅して、停戦合意や受け入れ同意が不可能な場合「国連安保理決議をもって参加を可能とする」として見直しを求めた。また、人道支援活動や選挙監視活動に参加する文民については、機動的に対応する必要があることから5原則の適用除外にするべきだとした。
 PKOでの武器使用は、国連が認めているPKO活動をする際の武器使用の国際基準にそろえる形で、警護任務や任務遂行を妨害する行為に対する使用も認めるように提言した。(12月19日01:42)

米軍の陣地構築、自治体に事前通知…有事関連法案- (2004/2/3/03:05 読売新聞)- 政府が今国会に提出する有事関連7法案の概要が2日明らかになった。有事における米軍への物資提供などに関する「米軍の行動円滑化法案」は〈1〉政府に対し、米軍から陣地づくりなどの連絡を受ければ、自治体など関係機関に原則的に事前通知する義務を課す〈2〉自衛隊は米軍に武器・弾薬などを提供できる――ことなどを盛り込んでいる。
 政府が2日の各都道府県担当者への説明会で概要を説明した。米軍行動の円滑化法案は、有事の際、日本国内で米軍が作戦行動する際の日本側の対応を定めたものだ。米軍の作戦行動に伴って政府が行う関連措置として、国民への情報提供を適切に行うことや、米軍の行動などによる住民の損失に対して自衛隊法などの規定に沿って補償することを明記している。
 有事における、自衛隊による港や空港、道路の利用などを定めた「特定公共施設利用法案」は、港湾施設・飛行場施設について、国は特定の者に優先的に利用させるよう施設管理者に要請できるとしている。
 政府は、来月上旬までに7法案を一括で国会に提出する方針だ。 


PKO活動における武器使用の国際標準=「任務遂行を実力で妨げる行為の排除」

 (産経新聞2001年9月11日主張より抜粋)=PKOの行動基準には「加盟国が差し出した軍事要員は、作戦的な事柄では派遣国の指示を受けず、国連軍事司令官の命令のみを受ける。指揮系統が順守されないと、作戦上重大な問題を生じる」と示されている。また、日本が早々と加盟した「国連要員の安全に関する条約」では国連要員らの安全確保のためにすべての措置をとる義務が課せられている。

 それなのに、十年間武器使用基準が改められなかったのは、自衛隊の海外での武器使用が憲法の禁じる武力、集団的自衛権の行使になる、とする意見があったからだ。しかし、国連は国家ではないし、PKOでの武力は他国の領土、政治的独立を侵すために行使されるわけではない。誤った議論に惑わされず、隊員たちが十分な貢献をできるよう、PKO法や派遣五原則の武器使用基準を改めておきたい。

 (産経新聞2001年10月21日主張より抜粋)= PKO法改正では武器使用基準も国際基準に合わせるべきだろう。現行ではPKO隊員の武器使用は自らと同僚の生命を守るだけに限定されている。他国の要員を守れる緩和にとどまらず、国際基準として諸外国が認めている「任務遂行を実力で妨げる行為の排除」も容認すべきである。

 (産経新聞2001年10月31日主張より抜粋)=実は、国際基準とかけ離れた日本のPKO活動はもはや限界にきている。日本のPKOへの派遣人員は世界五十七位で全体の0.1%、四十五人でしかない。福田康夫官房長官は「仕事がないからだ」と説明している。 国連は、任務遂行を実力でもって妨げる行為を排除するための武器使用基準(SOP)を認めている。日本だけがこれを認めず、危険はない安全なPKOをえり好みした結果といえる。

武器使用制限の一層の緩和を PKF参加で防衛庁長官(朝日新聞2002年8月26日より抜粋)

 中谷元・防衛庁長官は18日、東ティモールで国連平和維持活動(PKO)に参加している自衛隊部隊を視察した後、記者会見した。改正PKO法でPKF(国連平和維持軍)本体業務への参加凍結が解除されたことを踏まえ、「PKFに部隊を派遣するには、任務上必要な武器使用のあり方について、なお国内で忌憚(きたん)のない議論を行う必要がある」と述べ、武器使用基準の一層の緩和が必要だとの考えを示した。
 中谷氏は「国連が行っている業務と、我が国の業務が合っているか、検討しなくてはならない点が残っている」と指摘。「PKF任務のなかで重要な警護や治安維持では、あらゆる事態が想定される。それらに対応したROE(武器使用基準)を作り、権限を持って任務を行わなければならない」と述べた。
 防衛庁関係者によると、国連がPKO参加国に示しているROEでは、「要請があった場合の住民防護」に加え「任務遂行の妨害排除」にも武器が使える。一方、日本の現行基準では「自衛隊の管理下に入った」住民や他国のPKO要員は守れるが、任務遂行のための武器使用はできない。
 中谷氏の発言の背景には「国連との基準に開きがあると、PKFへの参加凍結を解除しても実際に参加できる業務や地域が限られる」(防衛庁幹部)との懸念がある。 中谷氏は会見に先立ち、東ティモール内のオクシ、スアイ、マリアナの各地で活動している自衛隊のPKO派遣部隊を視察。オクシでは、PKF業務に携わる韓国の部隊も訪ねた。(08/26)

国民保護法制」の概要等(2002/11/12~

日本有事、交通規制へ新法…政府方針  (2003/10/7/03:07 読売新聞)政府は6日、日本が他国から武力攻撃を受けて自衛隊が防衛出動した場合、民間の陸海空の交通が混乱する事態を避けるため、有事の際の交通管制などを総合的に調整する新法を制定する方針を固めた。来年の通常国会への法案提出を目指す。
 政府はこれまで、今後整備すべき法制として、船舶や航空機の航行制限をそれぞれ定めることを検討していた。陸上交通の制限の扱いは決まっていなかった。しかし、交通調整に関しては、陸海空3自衛隊と米軍がからみ、総合的な権限の調整が必要となるため、一元的な法案を作成することにした。
 交通調整の法案では、有事の際の交通に関する権限を首相に移すことなどが柱となる。現在、陸上交通は都道府県公安委員会などが規制の権限を持っている。航空管制や海上交通は主に国土交通省が所管している。
 具体的には、陸上では、前線へ出動する自衛隊の部隊と避難する住民が交錯しないよう、双方の交通を完全に遮断する措置などの権限を首相に与えることなどを検討している。複数の都道府県で住民を避難させる場合、各公安委員会ごとに対応のばらつきが出るのを防ぐ必要があるためだ。
 航空交通では、外国から日本に到着する民間機を日本の空域外へ誘導する措置を可能にすることを検討している。海上交通では、有事には民間船舶を退避させ、海自艦の航行を優先する一方、食糧などの輸入品を積んだ船舶の入港を確保することなどが浮上している。